Q. |
既存建築物で屋上緑化する時の注意点は? |
A. |
建物の状態を診断し、積載荷重制限、防水仕様の状態、排水孔の位置や水勾配、給水電気設備の有無、転落防止柵の有無、メンテナンスの考え方等を確認し、場合によっては施設の改修を行います。このようなプロセスを踏まずに実施した場合、建物を傷めたり、周りに危険が発生する事もあります。 |
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Q. |
耐根層はなぜ必要? |
A. |
屋上に土壌を敷き植物を育てると、次第に根が発達します。もし、根が屋上の防水層を貫通すると漏水事故を引き起こします。根の力は強いので、耐根シートやFRP防水層による強固な耐根対策が必要です。 |
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Q. |
土の重さってどの位ですか? |
A. |
土には大きく分けて、自然土壌、改良土壌、人工軽量土壌があります。土壌は種類により比重や性質が違います。植物のためには、厚い土壌が良いのですが、人工地盤である屋上には荷重制限があり、軽く保水排水性の良い土壌が望ましいのです。
標準的な植栽基盤構成と荷重及び植栽
植物の大きさ |
セダム |
芝生 |
草花 |
低木 |
中木 |
高木 |
〜10cm |
30cm |
30〜60cm |
60〜200cm |
200cm以上 |
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土壌の厚さ |
5cm |
10cm |
15cm |
30cm |
40cm |
50cm以上 |
荷重
u当り |
自然土壌 |
85kg |
160kg |
255kg |
510kg |
680kg |
850kg |
改良土壌 |
60kg |
120kg |
180kg |
360kg |
480kg |
600kg |
軽量土壌 |
35kg |
70kg |
105kg |
210kg |
280kg |
350kg |
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Q. |
屋上の強風対策は? |
A. |
一般に屋上には強い風が吹いています。風速や風の方向も建物の形態や周りの状況で変化します。強風の当たる部分は植物の配置、大きさを工夫したり、防風ネットやラティスによる防風対策を施します。また、台風時には、飛びやすいものを補強したり、収納する事が必要です。 |
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Q. |
セダムってどんな植物? |
A. |
多肉植物の一種で乾燥に強く、わずかな土壌厚でも根を張り成育します。万年草、ベンケイソウとも呼ばれ、繁殖力が強く、切れた茎からでも根を張り活着します。薄い土壌でも育ち、水やりが殆ど不要で管理が楽なため、薄層緑化に多用されています。いろいろな種類がありますが、地域の気候、風土にあったものを選択します。 |
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Q. |
水やり注意点は? |
A. |
屋上では、地面のように地中からの水分補給がありません。また、日陰が少なく風の強い屋上は乾きやすい環境にあります。植物は地中の根から水分と共に養分や酸素を吸収します。水やりのコツは、表面が乾いてから、たっぷりとやる事です。
少量の水やりでは表面しか湿らず、根が表面に集まってしまい、乾きやすい上に根が発達しません。また、地中の有害物質や酸素の入れ替えが促進されず植物を弱めます。
朝にやるのが基本ですが、真夏時は地中の温度が上がるため気温の下がる夕方やります。 |
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Q. |
水やりの方法は? |
A. |
(1) 人による手撒き潅水
(2) ドリップホースによる潅水
(3) スプリンクラーによる潅水 等があります。
(1) は植物の様子を観察しながら、潅水できますが労力がかかります。
(2)(3) はタイマーや定水量装置により自動的に潅水できます。
いずれにしても、季節や天候により水量の調節が必要です。 |
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Q. |
保水排水ボードってどんなもの? |
A. |
植栽帯の底に敷く発泡スチロール等でできた厚さ数cmのパネルで、裏表にくぼみや溝が作られています。くぼみで水を溜め、溝で排水します。余分な水が地中に浸透しない屋上では、根腐れを防ぐため余分な水は速やかに排水する必要がありまので、必ず排水層を設けます。 |
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Q. |
安全対策や近隣対策って? |
A. |
建物の安全対策として、積載荷重や防水対策があります。
また、排水ドレンが詰まらないようカバーなどの対策を施します。
人に対する安全対策として、転落防止柵や緑化資材の落下防止等があります。
近隣対策として、落ち葉や水がかって迷惑にならないよう注意します。 |
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Q. |
ベランダガーデンニングで注意する事は? |
A. |
安全に関して、まず、多く集合住宅のベランダは避難経路にもなっているので床のハッチや隣家との壁をふさがない事。設置プランターに子供が足をかけて手摺から転落しないよう配置に気をつける。また、プランターが落下しないよう配置する事。
他に防水層をスコップ等で傷つけないことや、排水孔をゴミや土でふさがない事に注意する。 |
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