現在日本の都市部では、気温がまわりの地域に比べて高くなり、ちょうど「熱の島(ヒートアイランド)」のようになっています。都市では、道路やビルなどによって、地面の大部分がアスファルトや、コンクリートでおおわれているため、熱をためこみやすく、また、自動車やクーラーなどから排出される熱の量も多いことなどが原因になっています。
都市ではコンクリートやアスファルト舗装面が太陽エネルギーの約半分を熱として吸収し、蓄積していますが、残りは空気中に反射されているのです。太陽のよく照る日に、どんなに都会の通りが暑いものか、誰しも経験していることでしょう。また夜になると、コンクリート製のビルや通りは蓄積された熱(エネルギー)を、エネルギーを吸収する暗い夜空に放射します。しかし都市では、煙、二酸化炭素、その他の空気汚染物質によって、蓄熱分子のドームが大気中に形成されており、熱が逃げにくくなっています。
ある地域の開発が進めば進むほど、ヒートアイランド化の影響は大きくなり、ある地域に緑が多ければ多いほど、その影響は少なくなるのです。
このヒートアイランド現象緩和のために現在、都市に林立するビルの屋上を緑化する事業が推進されています。緑化された屋上は植物の蒸散効果により、地表に冷却効果をもたらします。また、夏期には建物内をクールダウンさせ冷房量の削減、つまり省エネルギーにつながりCO2排出の削減に効果を発揮します。
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